当社のプロダクトは100%天然の本漆を使っており、天然漆独特の美しい素材感や織りなす紋様は人や空間に自然界の生命力と優しさのハーモニーをもたらしてくれます。
天然漆のプロダクトは使い続けることにより、より深い味わいを生み出すことができ親から子へと伝えていくことで、丁寧な暮らし、豊かなライフスタイルへと導いてくれます。
漆は日本人の生活や文化として9000年前より使われており、その脈々と続いてきた漆文化は海外で「JAPAN」と呼ばれ、今なお日本を代表する工芸品として知られています。 しかしながら、生活様式の変貌によって漆器の需要が減少、漆器産業が急速に衰退しているのが現状となっています。
弊社は25年間、東京都多摩市で漆器の修理専門の工房を営み、漆文化を広めることに務めてまいりました。
漆器の修理を通して見出したのは、江戸時代末期の優れた伝統技法を現代の生活に活用できるのではないかということ。
そこで、2003年、株式会社Ducoを設立し漆を使った新しい素材の開発をスタートさせました。
漆を塗る素地を、従来の木以外のものにすることに着目。化学的な実験を繰り返し、ガラスやアクリルなどの透明素材、又は、独特の特性を持つ金属/チタンとの組み合わせにより、 双方の物性が見事に溶け合う全く新しい漆素材の開発に成功。単なる「漆+素地」ではなく、機能的にも意匠的にも一つの新しい漆素材が誕生しました。
素地をガラス、アクリル、チタン、人工大理石・光学レンズにしたことで、天然漆の力を生かした模様など、これまでとは異なる漆の意匠性が生まれました。
また、建築・インテリア・アート…など、その用途も多様なものとなり、これまでの伝統工芸だけではないターゲットの拡大、販路の拡大にも繋がり、失われつつある漆器産業に新たな可能性と活路を見出すことに至りました。
従来、美術工芸品としての流通が主だった漆器を、伝統文化的価値と高品質を保ちながら、身近なものとして需要を促す事を狙ってきましたが、木製以外の素材を開発することで 異業種他社とコラボし、
他社製品と産業に漆文化の付加価値をつけることに成功することができました。
その代表的なものが、ゴルフメーカーのマルマン株式会社のクラブセットです。ゴルフクラブのヘッドに漆塗りと手描きの蒔絵を施し、台湾、インド、中国、韓国で日本の伝統技術として紹介され、販売に至りました。
ガラスの透過性と漆が作り出す自然なモチーフは、力強さと存在感に溢れ
インテリア素材・家具・アート・アクセサリーまで幅広い分野に生かすことができます。
アクリルの単板や単板を重ねた複層パネル、また様々な立体型に漆と箔を施し、新しい感覚の素材感やカラフルな色合いを楽しむことができます。
アクリルの通常加工が可能でドアノブや家具の部品、アクセサリーなどの造形を作ることが可能。
軽量で耐食性に優れ たチタンを漆と組わせることにより、その質感や肌触りが木のぬくもりに近くなります。
また、チタンならではの光沢が空間に奥行感を創ります。
チタン粉・粒によって蒔絵を施すとともに、そのチタン粒を発色させるという全く新しい試みにより、従来にない風合い(古びの風合い)を醸し出すことに成功、これまでにない素材感にアートの趣を付加しました。
塩ビフィルムに漆や箔を施し、壁紙のように貼ることができ、ハサミで自由にカットすることができる。
裏面に接着剤が付いているものと、付いていないものがあり、
・接着剤の付いているものは、透明素材に用いることができる。
・接着剤の付いてないものは、丸める、穴を開ける、窓辺や中空に吊り下げる、などのような用い方ができる。
漆部分は透過性があり、箔の部分は光り輝くので立体的な奥行き感を味わうことができる。
町田市2017年度トライヤル認定商品
ガラス又は光学レンズに従来の蒔絵を施したもので、板はもちろん円柱や四角柱などの厚みのある立体面に蒔絵を施すことで遠近感のあるユニークな蒔絵を楽しむことができます。
茶道の世界では、季節や自然光のうつろいを通し、畳2畳の中に、四季、自然界、宇宙を感じる空間づくりをしてきました。 西洋では、照明は室内を照らすという考え方で空間づくりをしてきました。 当社の「Ice-Light」は茶道の“宇宙空間を作り出す”考え方が込められ、照明の中から世界を作り出し、お棗の文化を継承しています。
写真は「Ice-Light」光学ガラスキューブの4面に本蒔絵を施し、土台のLEDライトで絵の中から照らすテーブルライト。 伝統美をそのままに、文化の継承を新しい表現で遠い景色と近くの景色が立体的なアートを創り。ガラスの内側に小さな世界が広がります。